人類の歴史は、少なくともここ2000~3000年程度の期間について言えば、生活圏に関わるボーダーライン拡大の歴史であると言える。怒らく原始時代、となりの部落は、現代的な感覚で言えば、全く別の国か世界のようなもので、時折必要に応じて交流する程度のものであった。部族間の争いが起きた時、最終的に話合いで停戦になれば良いが、いずれかが負けた場合には、負けた側は、勝った側の奴隷になるか、殲滅されるかされ、さまざまな生活利権も完全に奪われることになる。
この繰り返しによって、やがて国家が形成されるに至った。国境線はそれ以降、さまざまな権力によって、拡大と縮小を繰り返した。民族や国家の消滅も経験した。近代以降、兵器の飛躍的な進化と、超巨大企業の国境線を無視した世界的進出によって、国家と国境線の枠組みを越えて、さまざまな権力や影響力が多方面に交錯したのが、19世紀から20世紀の歴史であった。
一方、リーダー又は統率者、統制者の歴史は、初めは神に委ねられ、次に神と人間を仲介する者となったが、時代が下るに従い、皇帝・王→貴族→武士・騎士・諸侯→政治家・資本家となり現代にいたっている。ひたすら上から下へ権力が移行する歴史である。
現代の権力は、政治家・資本家(企業体)・メディアが主流であろうが、インターネットなど、情報通信産業の発達により、既存権力の影響力はしだいに損なわれつつあり、やがて個人へと移行する兆候が現れ始めている。それらの情報を全て手にするものが新しい支配者になる可能性を秘めつつも。(つづく)

