中国への海外投融資が急減していることを本日の日経新聞は報じている。
急減元の融資源は、主に英独仏などの欧州勢。
日本と中国が、中国の反日政策が原因で、関係が悪化し、経済関係も逼塞するなどというレベルではなく、世界的な潮流として中国離れが明確化しているものと考えられる。
TPPでは、露骨に中国外しを行う米国。かつて日本に対し、アメリカを中心とする欧米勢力が行ったABCD包囲網を思い出す。
昨日は、日米印の共同軍事演習開始のニュースが報じられた。南シナ海の問題に関する国際法廷の結審が今月あり、インド政府は、フィリピンを熱烈に支持している。
こういう一連の状況を見ていると、欧米社会は、すでに中国を「使い棄て」にする決断を下したのではないかと思われる。
急激に資産を増やした中国政府が世界中で札びらを切って、「中国人にあらずんば人にあらず」と言わんばかりに、威張り散らし、大いに不興をかったこともまた事実であり、今更同情の余地もないのだが。
一方で、20年ほど前、日本が欧米を実力で凌いだ途端に日本叩きを始めて、「次は中国の時代だ」と世界的にPRし、中国をおだてたのもまた欧米勢力であった。
シリアでの難民問題に絡めて、日本が受け入れ姿勢が弱いと批判している欧州勢ではあるが、そもそもこういう問題を引き起こした起源は欧米のアラブ政策にあるのであって、イギリスを中心とした欧州国家による、第一次大戦以降の中東地域における国境策定に始まり、近年では「アラブの春」以降の米国を主導とした陰に陽にの介入と、その不徹底ぶりが、大いに関係していることには口を濁す。
かつて、日本が追い詰められ、真珠湾への道を辿ったのと同じような状況に、今の中国はあると言えるだろう。しかし、日本も対岸の火事見を決め込めるほどの余裕があるわけでもなく、今後の身の振り方は大いに重要なものになる。
中国が少なからずまともな国家に成長することは日本にとっても国防上、経済上、生活上にも重要なことであるが、かの国はいずれにせよ一度ガラガラポンする必要があるだろう。もちろん、それも程度問題だ。あまりに苛烈にそれが起こると我々にも甚大な影響が起こるからだ。
以下は、上記文章に関する関連記事です。
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日経新聞 2015年6月29日(月) P.16 景気指標面
連載コラム『景気指標』=経済解説部 太田康夫=
『中国向け融資の急減』
先進国銀行による中国向け融資が2014年10~12月期に急減した。
減少額は510億ドル(6兆2000億円)で、四半期としてはリーマン危機後の08年10~12月期に次ぐ大幅なものだ。
当時は市場の急収縮に伴って中国向けも減ったが、今回市場全体は拡大するなかでの突出した減少となった。
融資減が目立つのは対中融資が最も多い英国やドイツ、フランスなど欧州勢。
各国政府は15年春に中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)への参加を表明し中国との関係強化をにじませていたが、民間銀行はその前に中国離れの動きを見せていた格好だ。
中国への投融資を急速に増やしてきた台湾の銀行も、融資を減らした。
邦銀は対中融資を5億ドル減らした。(後略)
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インド、フィリピン外相会議。「インドは断固フィリピンを支持し支援する」
南シナ海をめぐる中比の領海係争、国際法廷の結審は今月
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ニューデリーで開かれていたインド・フィリピン外相会議は、10月14日、共同声明を発表した。
インドのスシマ・スワラジ外相は、フィリピンのアルベルト・デル・ロザリオ外相との会談で、「インド政府はフィリピン政府の立場を支持し、いわゆる『西フィリピン海』(南シナ海)問題での国際法廷の結審を中国が無視することになっても、この立場は変わらない」(つまりハーグの結論はみえており、また中国がそれに従わないこともいまから明らかである、と示唆している)。
「1982年の国連国際海洋法にもとづき両国の平和的解決をのぞむ。すでにインドはバングラデシュとの領海紛争を国際調停にゆだねて平和的解決をみており、ハーグの国際法廷が公平な判断を下すものと信じている」と共同声明は続けている。
中国の南シナ海における人口島建設は、あきらかに1982年国連海洋法を踏みにじっているが、中国の言い分は、1982国連法は、「南シナ海には適用されない」という出鱈目な解釈をしている。
しかし何故、中国はこうしてまで強気に国際秩序を踏みにじっても平然と構えているのだろうか。
『サウスチャイナ・モーニングポスト』(南華早報)は、「習近平の外交目標は米国との対等な立場を得ようとするもので、つまり中国が国際秩序をつくる、と宣言しているのが習近平の外交基本である」と分析した。
同紙に拠れば、最近の習の外交演説を精密に分析すると、そこに見えてくるのは「現状を変更する」という考え方が鮮明に投影されている、とする。これが過去三回にわたる習近平・オバマ会談での「新しい大国関係」の中味だったのだ。
つまり中国の最終的狙いは「ブレトンウッズ体制」ならびに「サンフランシスコ体制」を代替し、「中国主導によって新しい国際秩序を建設するというものだ」(同紙、2015年10月15日)。(宮崎正弘メルマガ)
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シリア難民400万人、欧米はこの難題をいかに解決するのか?
オバマの無作為が、事態を最悪なものにしたと共和党、ペンタゴン
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じっさいにシリアがここまでの泥沼に陥ったのはオバマの泥縄式対応という無作為が遠因の一つであろう。空爆するゾと行って空爆せず、オバマは「狼少年」といわれた。
シリア難民は国内に800万人、トルコに190万、レバノンに70万、そしてヨルダンに110万。すでに欧州へ渡ったシリア系難民は63万人ともいわれる。
ことし既に63万人の難民が欧州へ到達したのだ。かれらは収容先で給食にありつき、難民申請の列についている。難民の半数近くが子供である。
スエーデンは申請者の75%を難民と認めるが、ドイツは25%という。
ならばあぶれた人はどうするのか、それが問題だ。
救命ボートにすがってギリシアの島々へ脱出し、中欧を経由してドイツなどへ向かう難民はまだ恵まれている方である。
ISISの支配地区を通過して西へ向かう難民はISISに相当額の「通過料」(関所)を支払いながら絶望の旅を続けている。
▲世界的難民の元祖は華僑ではないのか?
すでに合法難民は何をしているか。難民と移民、亡命者は峻別されるべきだが、欧米でみるとすでに出世頭は、その国に溶け込み、政治への進出も果たしているのである。
英国政界に中国系議員がひとり誕生している。米国は中国系、韓国系それぞれが議席を得た。
華僑の合法移民はすでに5500万人。コソボ難民の200倍、シリア難民の15倍もの中国人が世界中にすでに散った計算になる。
しかも、このうちの四千万人の華僑は移民先の市民権か国籍を取得している。
ことしの世界華僑大会はインドネシアのバリ島で開催されたが、インドネシア政府は歓迎し、メガワティ元大統領が祝辞をのべたほど。
先にもジョコ新政権は日本の新幹線プロジェクトを蹴飛ばして中国に決めたが、ジャカルタのチャイナタウンはみごとに復活し、インドネシアの金融と流通は華僑が抑えた。
カナダでも異変が起きている。
すでに中国系の移民は150万人で、カナダ全体の人口3500万の5・25%も占める。何が起きるかと言えば、中国によって国政が左右されかねない事態となることである。
10月19日におこなわれるカナダ衆議院議員選挙(定員338名)に対して、中国系移民が17名、国政の議席をえるために立候補している。
このうち三名は当選確実と言われ、トップの余昌波はすでに三回生のベテランでモントリオールから。二期目を目指すのは女性で劉叙雲、そして期待の新人は寇鴻久である。これは日本政治の明日の姿かも。
▲難民は明日の日本の問題である。
けっして対岸の火事ではない。すでに小誌でも半島、大陸で危機が発生した場合、悪徳業者による難民斡旋、しかも在日の業者がやくざと組んで密航船を仕立てるケースも考えておかなければならないと指摘した。
対馬、壱岐、五島列島などは欧州のおける難民のたどりつくシチリア、サルジニア、マルタ、クレタに似ているが、いまの日本には対策どころか備えもない。
すでに次のようなケースが日本ではおきている。
不法移民の中国人が永住許可をえるケースが増えている。日本人との便宜的結婚や養子縁組、残留孤児の「育ての親」のなりすまし、偽造書類による縁戚という触れ込みの不法移民も日本当局は強制送還をためらい、しかも司法界にはびこる悪徳弁護士らの「暗躍」によって、永住権を取得するケースが激増している。
在日中国人は、日本人との結婚をのぞきとうに百万人を越えている。
(宮崎正弘メルマガ)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151016/k10010271791000.html

