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    Home»日本文明・神社・神道

    経済至上主義とは我々にとって何か ― 八百万の経済主義への移行促す

    平成28年7月2日 日本文明・神社・神道
    戸隠神社参道
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    資本主義は西洋で生み出された経済思想である。この思想に基づいて人類が社会を形成し始めたのは、具体的には英国で産業革命が起こると同時に、英国の世界覇権への道が開始された頃からと考えて良いだろう。

    そして、それはアメリカにおいて、最終段階を迎えつつあるということだ。

    日本はと言えば、江戸時代にあたる時期で、当時から商業主義は欧米と比較しても遜色がないほどに発達しつつあったが、社会の価値意識は、資本主義とは無関係に進行していた。

    資本主義は企業利益を無限に拡大し続けることが必要である。この方向性は終局的に全ての価値観の一元化に向かう。

    企業は他の企業に対抗するため、企業規模を拡大し、多くの企業を併合する。企業はビジネスをし易くするため、市場をも単一化しようとする。通貨も一つのほうがやり易い。地域的な商習慣は邪魔になる。

    一つの世界。一つの市場。一つの通貨。一つの企業。一つの価値観。一つの政府。

    さらには、

    一つの言語。一つの宗教。と無限に単一化を目指すことになるだろう。

    それが最もビジネスを進めやすい環境だからである。

    これが資本主義の究極的な到達地点であり、常に目指すべき方向性となる。

    なぜ、経済は一元化に向かうのか。資本主義もまた、西洋的価値意識の中から生み出された思想であるからだと私は思う。

    一神教は世界を自らの信仰によって一元化させることが最終目的であろう。

    Only one, not the othersが原則だからだ。

    一元化が社会に起こるとどうなるのか。

    例えで、わかり易く言うと、我々が口にするものは、全てイオンによってまかなわれ、イオンが我々の食生活をコントロールできるようになる。イオンが販売する製品の全てにモンサントの遺伝子操作食品が関わることになったとしても、もはや我々はそれを拒否することはできない。(補足:日本国内の食品スーパー全体の中でイオンが占める割合は現状10%程度である)

    やりたい放題ということになる。人類はある意味世界規模で奴隷化が進むということになるだろう。こんなこと言うと、まるで私はマルクス主義者みたいに思えてくるのだか。

    不思議なことに、資本主義の最終到達地点は共産主義みたいな完全管理社会になるということだ。嫌、マルクス主義はこのことを言っていたのか。いずれにしても、マルクス主義と資本主義は双子の兄弟みたいなものだから。

    いや、何もイオンが悪いと言っているのではない。イオンを悪者にするつもりはない。

    日本には、トヨタもあり、日産も、ホンダも、マツダも、スバル、ダイハツ、スズキや三菱まであるではないか。世界の自動車産業でこれほど多様性が残っているのは日本だけだろう。韓国には現代しかない。アメリカにはGMとフォードしかない。欧州の自動車会社の大半は、ドイツ系に飲み込まれつつある。

    日本の自動車産業が活況なのは、このような多様性の中で切磋琢磨できるからだ。トヨタだけになったら、企業は胡坐をかいてしまい、もっと良い自動車を作ろうとはしなくなるだろう。

    都市の一極集中も同じである。東京は魅力的な都市だ。無限に拡大する商地域。休むことなく建て替えが起こり、毎年新たな商業スペースがオープンしてゆく。東京にいて飽きるということはない。不思議なことに東京は多様化が進んでいるのかもしれない。

    しかし、その一方で地方は疲弊し、活気がなくなり、人材が枯渇し、高齢化が進んでいる。地方に行けば行くほど、地域の「単一化」が進んでいる。どの町へ行っても幹線道路沿いに、どの地方に行っても見かける商店が立ち並び、画一的な生活を送っているように思える。地方のアメリカ化であり、地方の一元化である。

    こうなると、地域の魅力や特色は薄れてしまい、他地域からの流入はさらに落ち込む。わざわざ都市から、地方へ行く理由がなくなるからだ。

    そうなると、地域の経済はさらに疲弊し、結果、「爆買い」誘致に血眼になるしかなくなるというわけである。「爆買い」も良いだろう。しかし、あんなものが長続きするはずはないし、あまりそこに比重をかけすぎると、手痛いしっぺ返しが来ることになるだろう。

    地域が活性化するには、地域の特性を拡大する必要があるが、現代経済の価値規範からすると、それは「否定」されるべき現象となる。

    私が、経済至上主義に嫌悪感を感じる理由がここにある。

    戦後になり、高度経済成長を終えてからも、日本においては経済至上主義が進行し続けてきたと言えるが、その間、地方は疲弊し続けている。

    もっと地方経済を活性化しなければならない、と、これまで通りの経済至上主義の原則でそれを進めることがどれほどの「愚行」かは火を見るよりも明らかな事実ではないのか。

    そして、その思想の根源には、一元化という理念が横たわっているということだ。それは西洋的な一元論や二元論が横たわっているということ。共産主義も同義である。

    このような価値観に対抗するためには、日本的な本来の多様性を重んじる価値意識を社会に導入する必要がある。

    もともと日本人は江戸時代までそうやって、生きてきたんだから、それほど難しいことではないはずである。

    八百万の経済主義ということになる。

    (写真:戸隠神社参道)

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