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    Home»文明論

    Economy First の時代の終焉

    平成29年1月23日 文明論
    Description English: Donald Trump with Bill Clinton at Trump Tower in 2000 Date 16 June 2000 Source Clinton Presidential Library Author Ralph Alswang, Office of the President
    Description English: Donald Trump with Bill Clinton at Trump Tower in 2000 Date 16 June 2000 Source Clinton Presidential Library Author Ralph Alswang, Office of the President
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    既存の民主主義とか資本主義、あるいはもっと大きな括りとしての「既存の価値観や価値意識」が既に終焉しつつあることに気づいている人が時々いるが、しばしばネット関連の企業家であることが見受けられる。

    ネットの仕事をしていると、今の現状を見た上で、これからの人間の価値観やライフスタイル、社会の方向性が何となく見えてくることがある。

    既存のメディアや知識人の多くは、このような新しい人間の意識の変遷に対して、敵対的であったり否定的であることが見受けられ、世の中で今何が本当に起ころうとしているのかを、正確に把握したり、充分に伝える能力が不足している。

    ドナルドトランプは、「アメリカ合衆国において」、彼ら自身が作り出してきた物を自ら破壊しなければ次の時代がやってくることはないだろうという人間の魂の叫びを具現化した存在だ。

    トランプには、新しいことを産みだす能力はないが、既存の価値観を破壊する能力はあるかもしれない。

    ドナルドトランプという男はソ連にとってのゴルバチョフのような存在であり、自民党で言えば小泉純一郎のような人間と同じような意味合いを持っている。

    しかし、彼らよりは破壊力は大きいだろう。彼らは一つの組織の破壊者、せいぜい一つの思想的基盤の破壊者であったに過ぎないが、トランプが関わるカテゴリーはもう少し大きい。

    このことに気づかない、あるいは気づきたくない既存のメディアや知識人たちの多くは、せいぜいトランプの人間としての「品性攻撃」をして憂さ晴らしをする程度のことしかできないだろう。

    「エコノミーファースト」が「善」であるという価値感で食ってきた人達が自らそれを否定することは難しい。

    トランプはエコノミーファーストで生きてきた人間の象徴でもあるが、同時に自らそれを否定している。興味深い人物でもある。

    このように書いてくると、

    「あなたはトランプが好きなんですか。」

    という人、思う人が大半だろう。

    昨日も宮根誠司の番組で木村太郎がトランプ大統領就任に関する解説をしていたが、宮根氏が同じ質問を木村氏にしていた。

    「要するに木村さんはトランプが好きなんですか?!」

    宮根氏のこの言動の真意は不明ではあるが、こういう質問が今のメディアや、今の価値観に生きる人々の「雰囲気」を象徴している。

    私から見ると、こういうセリフを吐くことで、結局、「今」にしがみついているようにしか見えないのだ。

    私のトランプへの注目すべき視点は、彼の「暴言」や「品性」ではなく、彼の自分が生まれてきた土地や社会に対する「憂い」の感情である。

    「企業論理の犠牲になってきた我らアメリカの民よ!」

    知性や理性は嘘をつく。

    魂は「知性」「理性」の裏に隠された嘘を瞬時に嗅ぎ分ける。

    ドナルドトランプの品性が低劣であったとしても、少なくとも彼に嘘はない。アメリカ社会の魂の叫びが彼という人物を産み出したに過ぎない。

    彼のような人間が大統領になったことは、現代のアメリカ社会を象徴している。

    人種差別
    女性蔑視

    こういう言葉や価値観もまた、アメリカ文明を象徴する「典型的な」キーワードでもある。

    我々日本人はこういう言葉を表面的に捉え、しかも表層的に影響されているが、アメリカ社会にいる人々から見たら、こう言った言葉や価値観に関わる諸制度や価値基盤や認識、行動様式にも大きな「病理」が潜んでいるのであろうと私は見ている。

    「とにかくもう限界なんだよ!」

    彼らの魂はそう叫んでいる。

    アメリカは世界の文明の中心であることから去り、自らが本来の「落ち着ける」姿に収斂してゆくだろう。それはまた同時に西洋文明の行く先をも象徴している。

    こういう視点でこれからのアメリカを見、世界を見てゆく必要がある。

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