あまりにも多くの人が良いというので、観てきました。正直驚いた。もっと軽い感じの作品だと思っていた。
新海監督の映画は数本観ましたが、これまでの作品と違い、世界観とプロットが明確になっており、メッセージ性が高い。
このストーリーの骨格には、神道とか日本文明、あるいは神々からの警告と、それによって結ばれる魂の絆、といった「文明の骨子」のようなものが包含されている。
神主家の娘として生まれた主人公は、この神社、神事や御神体の由来について、火事で資料が焼けてわからなくなった、と祖母から聞く。
こういうことも、現代人と日本文明の断絶を象徴しているようで面白い。
一見、美しいラブストーリーのようだが、作者の真意は別のところにある。
予言のロジックを御神体と絡め、魂の入れ替わりと時間軸とを歪めながら表現する手法は珍しく、個人的には非常に興味を持った。
この映画の本意とは、
「神々の導きによって結ばれる魂の絆」
であるが、それを、そのような「宗教的」な匂い(臭さ)をほとんど感じさせずに綺麗に描く手法は見事なものである。
作者はこのストーリー構成を、それほどロジカルにではなく「感覚的に」捉えているのかもしれないが。
しかし、この作品が多くの日本人の心に響いたということに、何か希望のようなものを感じる。
個人的には「千と千尋」よりも高い評価を与えたい作品である。
また近年観た映画の中でも極めて印象深く、学ぶところの多かった作品であった。
「君の名は」とは神々の名のことでもあるのか。
