アカデミー賞作品賞受賞作品。
人種差別とそれに関わる対立、憎悪、怒り、卑屈。そして、それらの隙間からにじみ出るドラマや感動。米国社会の縮図を虚飾なく切り撮った作品。
優れた作品である。そして、この映画を見るとアメリカ社会と日本社会との違いも良く分かる。
自由で、何事もフルスウィングな社会。雑で緻密さのない社会。お世辞にも洗練された社会とは言えない。でも日本のようなストレス型の社会というよりは、闘争型の社会である。
どんな社会に暮らそうが、人間は人間であり、そこには感動もドラマもある。
どちらが良いか。それは好き嫌いという他ない。雑で自由でフルスウィングな人間ドラマを満喫したいならアメリカ人になったほうが良いかもしれない。
しかし、この国の価値観、要するに人種差別に関わる問題やらそういったものを、日本社会に持ち込んで、言いの悪いのと言うのは全くの間違いだとも思う。
日本とアメリカは全く違う社会だからだ。
しかし、はっきり言えること。それは日本社会というのは明らかに洗練され成熟した社会であるということ。この映画を見て感動しても、この社会が日本よりも進んだ社会だとは感じられない。
どちらにも、良い点、悪い点はある。そして、ドラマ性と言う意味ではアメリカ社会の方が大きいと言えるだろう。しかし人間生活全般に緻密さや繊細さがないとも言える。それが日本社会との大きな違いであろう。
そんなことを改めて感じさせてくれる作品でもある。
