大物忌神社蕨岡宮。
大物忌神社は、出羽國一之宮。
鳥海山山頂の奥宮の他、蕨岡と吹浦に二つ下宮があり、江戸時代まで抗争があった。
蕨岡は役行者を創始とし、吹浦は朝鮮系の卵生神話を持ち、月氏霊神と百済明神が関わる伝承がある。
吹浦の「大日本国大物忌大明神縁起」によると「天地が混沌とした中から両所大菩薩・月氏霊神・百済明神が現れ、大鳥の翼に乗って、天竺から百済を経て日本に渡来した。左翼にあった二つの卵から両所大菩薩が、右翼にあった一つの卵から丸子元祖が生まれ、鳥は北峰の池に沈んだ。景行天皇のとき、二神が出羽国に現れ、仲哀天皇のとき、三韓征伐で功績をたてたので、正一位を授かり勲一等を得た。用明天皇のとき、師安元年6月15日に、二神は飽海郡飛沢に鎮まった」のだと。(wiki)
卵生神話はもともと日本にはないので、後世の渡来人の創作だと思うが、古代より朝廷から非常に篤く守られた当社の歴史を見ると、卵生神話云々はかなり後代になり吹浦門徒の渡来系の何がしかが蕨岡に対抗し創作したものではないか。
琉球には一部卵生神話がある。朝鮮の場合、厳密には神話とは言えないかもしれない。王族の先祖起源譚。朝鮮には中国同様、日本のような創世神話はない。
全国の神社でも極めて珍しい事例かもしれない。
月氏霊神とは月山の神のことで、吹浦では、月山神と大物忌神の二神並祀である。とすると大物忌神とは百済明神だということになるのだが。
江戸期までは神仏習合していた。そういうこととも関係があるかもしれない。
ちなみに吹浦宮には、上記二神の本殿の脇に白山姫神を祀るお社がある。菊理姫のことだろう。
月氏とは月読命。
出羽三山は蜂子皇子創始だとすると、大物忌神社の方が古い。
この地域は、渤海などとの交流があった。伝承が突飛な感じがするのはそういうことと関係があるのかもしれない。
いずれにしても大物忌神というのはよく分からない。元は鳥海山の山神、降臨神であることだけは確かだが。
これほどの大社であるにも関わらず、神社では伝承を詳しく記載したものを頒布しておらず、書籍もなさそうである。上記の歴史はwikiからだが現時点でwiki以上に詳しい情報がない。
機会をみてもう少し掘り下げたい。
蕨岡の社殿は写真では分かりにくいが非常に威圧感のある立派なもので、あまり他の地域では見られない独特の雰囲気を持っている。屋根がすごい。
この社殿は一見の価値がある。
写真は全て蕨岡宮。



