芥川賞作家の森敦原作「月山」の映像化作品。
ある一人の大学生が学校を中途で辞めて、湯殿山か月山麓付近の廃寺寸前の寺を訪れる。僧侶はおらず寺番の初老の男しかいない。
「ここで一冬過ごさせてはくれまいか」
男はそう言って雪深い部落で、薄汚れた寺の屋根裏のような場所にただ何もせず暮らすことになった。
大学で学ぶ表層的で無意味な学問に愛想を尽かし真理のようなものを探すため、死の山月山を拝めるこの地に来たのだという。
寺には即身仏のミイラがあったが、以前寺が消失した際に一緒に焼けてしまい今では即身仏を安置する大きな厨子だけが本堂脇に置かれている。
「なぜこの寺はこんなに廃れてしまったんですか」
男が寺番に聞くと、
「バスだ。バスが通って月山へ行く道筋が変わってしまった。」
ある時、村人から奇妙な話を聞く。
「以前、行き倒れの人間をミイラにして、即身仏だと言って一儲けしたものがいる。」
しばしば寺に集まっては酒宴を開く村人。
村娘の閉ざされた性。
東北の鬱屈と微妙な狂気が織りなす深雪の村社会。
この作品は、森敦の実体験を重ねたものらしい。非常に興味が湧いたので原作を読んでみようと思う。

