文明が先か民族が先か。文明と民族はイコールか。
日本文明はこれまでクローズドな世界の中で醸成されてきた以上、日本民族とイコールと言っても差し支えないが、そもそも日本民族が複数のルーツの混成体である以上、単一の民族が日本文明を醸成したとも言いにくい。
文明が人を作るのか。民族が文明を作るのかは鶏が先か卵が先かというに等しいが、一つの文明が人類にとって大きな意味合いを持つようになると、ある日突然「民族」という枠組みを越えていく。 かつて、ユダヤ民族の民族宗教であったユダヤ教がある日、キリスト教に脱皮してやがて、世界に伝播した。
我々日本人も、キリスト教徒でもユダヤ教徒でもないが、かなりの部分彼等の文明の影響を知らず知らず、あるいは必然的に受けている。
日本文明もこれに同じである。
日本文明も日本民族による民族文明であったが、やがてその枠組を越えていかなければならない日が来るだろう。
「人が文明を作る時代」「固有の民族のための文明」からから「文明が人を作る時代」へシフトする時代への転換である。
そのために必要なことはまず日本人が自らの文明に対する意識化を強めて、これをより強固で確信に満ちたものにしてゆく作業が必要なのである。

