仕事をしていたら窓のむこうに、つがいの鳩が並んでいるのを見た。
じっと見ていると、おもむろに片方の鳩がもう一方のそれの嘴(くちばし)を執拗に合わせた。
その相手の鳩は何気に、幾分嫌がる素振りを見せながら、さらりとそれを受け入れている。
その後も「彼」は片割れの鳩の首の周りを執拗になめまわした。
やがて、しばらくすると突然「彼」は、もう一方の鳩の背中に乗りあがった。
その直後。二つの鳩の尾っぽが複雑に絡み合うと思う束の間。
「彼」は、高らかに自らの羽を拡げたのである。
およそ数秒。
「それ」が終わると互いに目を合わすこともなく、何事もなかったかのような、他人事の表情でただ「二人」前方を見ている。
その刹那。
「彼」の姿は私の視界から消えていた。

