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    Home»日本文明・神社・神道

    宇治上神社について

    令和2年5月29日 日本文明・神社・神道
    宇治上神社 – Wikipedia
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    日本文明 武士道 仏教 キリスト教 のこと

    日本語は主語を必要としない。これは欧米の言語とは決定的に違う。この欧米の言語的特質はもしかするとキリスト教文明が根づく以前からの価値意識なのかもしれない。

    中国や朝鮮の価値意識や生活感は自分の身内血族主義であり血族エゴイズムの側面が強い。

    支配者が全ての権力と資産と権益を独占するというのは、少なくとも欧米だけではなくアジアにおいても通常の価値観である。

    自己中心主義というのは、西洋人的だとも言えず、アジア人的な価値意識であるとも言えず地球的な人類の標準的な価値意識というか状況だと考えるべきである。

    インド思想は、日本において仏教思想の中でそれを部分的に受けつぎ、それは有益であった。しかし、インド思想の根幹は、魂の絶対的輪廻思想の中で、現世で生まれ生きる人間の生活を極限まで拘束している。仏教はインド発祥ではあるが、インドにおいて主流の思想ではない。

    日本人は、肉体のはかなさと、肉体からの魂の自立と尊さをインド思想から学んだが、現世を生きる人間を強制的に独善的で個人的な輪廻思想に当てはめることは、当然ながらしなかった。

    戦前戦中の数学者で思想家であった岡潔という人物がいる。

    彼は渡仏して三年間暮らしているうち、そこで見る美しさや芸術的な完成度を見るうち、言いようのない、ある種の「欠損感」を感じた。

    実は私も欧州を見ている中で、それが自分の前世の住処であるような強い思いを持ってそこに赴き、見聞したにも関わらず同じような感覚を抱いた。

    「ここは確かに素晴らしい場所だ。懐かしい。しかし何かが決定的に欠損している。」

    「解脱」という仏教用語がある。これは要するに仏陀が最終的に到達した人間としての究極の意識状態ということを意味するが、そこに達したらば、以降永遠に人間として生まれ出ることはないという意識境涯のことを言う。

    神道の価値観で言えば、神界に至り、再び人間などの肉体を伴った存在として生まれ出ることのない境涯だと言えよう。

    それに関連して、岡潔は言う。

    「解脱した人のことを見よう。応神天皇の末の皇子に菟道稚郎子(うじのわきいらつこ)という方があった。この方は自分が生きていたのでは自分が天皇にならなければならないという理由で、さっさと自殺しておしまいになった。解脱した人でなければ出来ない行為である。むろんこれは仏教が渡来するより前のことである。」(『昭和への遺言』より)

    岡潔はそのように言うが、仏教の言う、「解脱」がそのことと同義であるかはさておき。

    しかし、武士道の起源はここにあると確信できる。

    武士道は武士に始原するものにあらず。そは皇道にあり。

    幕末期、西洋人が日本に居た際、彼等の見たものの中に、ほんのささいなことで平気で腹を切る武士達の姿があった。

    彼等はそれを見て言葉にならないほどの恐怖と脅威を感じたという。

    「彼等はなぜこうも簡単に自らの命を絶つことができるのか!」

    個人主義や自我の意識を重視する彼等には到底できない行為であろう。

    現代の日本人にはこれほどの強力で揺るぎない魂の持ち主はほとんどいなくなった。

    岡潔も戦後このような人がほとんど姿を消したことに非常な危惧を表明している。

    私の個人的な経験を言うならば、若い頃、父親や社会の先人たちが、「何も考えるな」「自分を捨てろ」「まだまだ我がある。そんな状態のうちは全く駄目だ。話にならん」

    そんな苦言を言われた。しかしその頃の自分はそんな「意味不明なこと」を言われて無性に腹がたったものだ。

    「納得できる理屈も言えないくせに偉そうに、自分を捨てろとか、だからそれがなんだというのだ。」

    要するにこいつらは何もまともな事が言えないが、自分達の都合のいいように若い人間を手なずけようとしているだけだろうと。そう心の内で吐き捨てた。

    しかし、年を重ねるに従ってその言葉の持つ、極めて深淵な意味が理解できるようになった。

    結局、人間一人ができることなどたかがしれている。若いうちは自分の可能性が例えようもなく無限だと確信している。(それはそれでもちろん悪いことではない。)

    人間一人が考えることの大半は、勝手な自己実現の欲望や都合に過ぎない。しかもそれがどれほどリアリティーがあるのかも知れない。

    しかし、それが他の理由によって妨げられると人は無性に腹がたつものだ。

    日本人が文明として、民族として、魂の「解脱」を実現したとは言わない。

    しかし、無意識のところで、西洋思想やインド思想を越えた領域に達している「部分」が自らの文明や生活意識の中にあるように思われる。

    「無私」あるいは「滅私」という概念である。(多くの日本人にとってその言葉は、とても苦々しいものでしかないのかもしれないが)

    日本人には「宗教心」がなく、宗教に対しての素養と理解が欠如しているから、西洋だとか、その他の宗教の根強い社会のことが理解できないから国際社会おいて不利だとか、ダメだという説がある。

    しかし、実は日本人には無意識にそれを「超えた」ところの文明の中で生活しているのではないか。

    仏教にせよ、キリスト教にせよ結果最終的にそれらが人に要求するのは、「無私」「滅私」という概念に変わらない。

    仏教では自我の滅却と超越であり、キリスト教徒が信仰上最終的に目指す状態は、キリストへの自らの魂の完全なる「明け渡し」である。明け渡しとは、要するに無私の状態に等しい。

    日本人が古代から無意識に積み重ねてきたこと、目指してきたことも似ている。ただ日本人はそれを意識化しなかった。(結局、それで良かったという側面もあるだろうが。)

    今後日本人は、世界に我々の価値意識というものを伝える「責務」が生じるだろう。

    しかし、そのことの重要性を大半の日本人がいまだ理解できないか、理解したくないのか、そのための自信を奪われているように思われる。

    令和という時代には、「日本の仕組み」について、世界の人々から説明を促され、それに応えていかなければならない時代になる。

    菟道稚郎子について
    https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8F%9F%E9%81%93%E7%A8%9A%E9%83%8E%E5%AD%90

    (写真:宇治上神社本殿 wikiより)
    https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%87%E6%B2%BB%E4%B8%8A%E7%A5%9E%E7%A4%BE

    写真について:宇治上神社の祭神は、菟道稚郎子。菟道稚郎子の離宮であったとされている。近在の宇治神社も菟道稚郎子が祭神の神社。

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