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    夏目漱石は「I love you」を「月が綺麗ですね」と翻訳した

    令和2年8月4日 日本文明・神社・神道
    夏目漱石は「I love you」を「月が綺麗ですね」と翻訳した
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    ユダヤ・キリスト教の唯一神は、人を作り、人のためにさまざまな物(自然や動植物などの)を与えた。

    唯一神は善と悪を人に示す。人と神と人の生きる世界は、一直線の縦軸で通貫している。

    唯一神は孤独である。彼はただ一人、全てを司る。孤独な唯一神のクローンである人もまた一つ一つの「孤」が人間の関係性において隔絶するから、互いは「唯一神」という仲介を通してしか信用を得ることができない。

    ユダヤ・キリスト教の世界観には強い縦軸はあるが横軸はほとんど存在しない。唯一神の存在が強力すぎるからである。

    ここに「不信感」の源泉が横たわっている。だから「契約」社会がそこに起こる。

    男と女の関係も同様に敵対的な関係になるだろう。彼ら(西洋人)が四六時中「愛してる」と言わなければいてもたってもいられないのは、孤独な神の孤独な被造物である人間の性のようなものだ。

    夏目漱石は、「I love you」を「月が綺麗ですね」と翻訳したという話は知られている。いかに日本人の培った文明が彼等の文明とは違うかの極めて分かりやすい証左であろう。

    日本人は万葉の時代からそんな感覚を積み上げてきている。最近では、そのような繊細な感覚は幾分薄れてきているのかもしれないが。

    現代人は、主として「経済」と「科学技術」に依存している。

    「宗教的見地」というものはほとんど意識しないか、むしろ横に追いやっているが、それがどこか「進んだ人間の証明」であるかの気分でいることが多い。

    しかし、「経済」も「科学技術」もその歴史の源泉まで辿れば、「宗教的価値概念」に到達する。ほぼ例外がない。「経済」や「科学技術」とは「宗教的価値概念」の派生品に過ぎない。

    偉大な発明を行った人物の歴史とその周辺環境には必ず密接な「宗教的」繋がりがあることを覚えておいた方がいいだろう。

    ただし、私が語る「宗教」とは「信仰」を指すのではなく、人間の存在の根源に深くアプローチする姿勢と洞察とその表現と規定のことを言っているのである。

    人間の生死と存在の根源を深く洞察し表現し規定することを我々は仮に「宗教」と総称しているということだ。

    現代人はその宗教的見識を無視して、その「派生品」を「正規品」と勘違いして生活しているが、いかにそれを無視しても魂の深い部分にそれは刻印されている。二千年以上に渡って営々と積み上げてきた価値体系を人は簡単に放棄することはできない。

    私はここで、

    人は再び宗教に目覚めて、おのおの信仰を深めよ。

    などというつもりはさらさらない。

    既存の「世界的宗教」は既に新しい時代の価値を生み出す源泉としては役にたたず、既存のものに代わるあらたな概念が必要となっている。

    ただそれらは何かのヒントになるし、何かを指し示す道標にはなるだろう。

    私の語っている全体調和的価値体系とは、ユダヤ・キリスト教的な価値体系とは真逆の価値体系である。これは日本文明の根源に根差した概念である。

    日本文明=神道に根差した全体調和的価値体系には縦軸も横軸もあるが、それらは、相互に有機的に調和しながら全体のバランスを保つ。

    現代文明は、その根幹にユダヤ・キリスト教的な価値体系が横たわっている。

    コンピュータのロジックに使用されている二進法の理論の源泉は、「yes」「no」であり、これは二進法の「0」「1」に該当する。

    「yes」「no」という言葉以上に一神教的概念を的確に示すものはないではないか。

    孤独な唯一神の被造物である「人」もまた孤独な存在だが、それは同時に極めて「主観的存在」でもある。

    それは「yes」「no」という言葉にも象徴される。

    ユダヤ・キリスト教的価値体系は極めて「主観的」な価値源泉を有しているが、全体調和的価値体系は、これに対して「俯瞰的」な源泉を有している。

    全体調和的価値体系に基づいた科学技術が生み出されるとすれば、少なくとも「二進法」による技術とは別の概念によって技術の基礎ができるだろう。

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