地の神々と御霊鎮めのストーリー
「すずめの戸締り」を見て
新海誠氏の最新作。「君の名は」を見て素晴らしい作品だと思ったが、今回の作品を見て、新海氏の日本の神々の世界観に関する見識がより深化しているように感じられた。
常世と黄泉が同時的に存在する世界があり、そこから「扉」を通して、現世に「念気」のようなものが吹き出すと「地震」が起きる。
その「扉」の最重要ポイントの一つは「要石」で封印されていたが、主人公の岩戸鈴芽が引き抜いてしまう。
日本全国を歩き「扉」を閉じて災害を取り除く「閉じ師」の宗像草太と鈴芽との出会い。
閉じ師が「扉」を閉じる際に祝詞を唱えるがそれが下記。
かけまくもかしこき日不見(ひみず)の神よ
遠(とお)つ御祖(みおや)の産土(うぶずな)よ
久しく拝領つかまつったこの山河
かしこみかしこみ 謹んでお返し申す
この祝詞を見るとこの作品の意味がわかる。
地の神々は人々の様々な念を閉じこめる役割がある。日の神は現世を司り、日不見の神は常世あるいは黄泉を司る。
日不見(ヒミズ)はこのように書くようだが、「ヒフミ」とも読める。
主人公の岩戸鈴芽はその名の通り、岩戸開きの岩戸であり日の神を象徴している。
この祝詞は地の神々と地霊の鎮めと鎮魂の祝詞であろう。
日本の神々の世界観というものを全ての日本人がより深い次元で認識してほしいという作者の思いが伝わってくる作品。

