徳川慶喜に関する記述を見ると、彼が将軍になって以降の動向は注目すべきであろう。
彼は将軍就任後、ほとんど江戸城内に入っていない。
彼は江戸城中の雰囲気を非常に嫌っていた。
堕落であろう。特に大奥が専横を極め身動きができない状況であったという。
彼は思ったに相違ない。
こんな体制で国を左右したら、作今の世界の状況下にあって、この国は滅びる他ない。
おそらく彼は自らの体制をリセットする必要を感じていただろう。
幕府方が賊軍(天皇の支持を得られなくなった)になったことは、彼にとっては好都合だったと思う。
「都合が良い。この状況を使って今の幕藩体制をリセットしたい。」
それがかれの本心だったと思う。
忠実な幕臣からしたら堪え難いことだ。
しかし、世界の内におけるこの国の状況を俯瞰した時、今の体制はもはや救い難い。
そういう彼の本心を私は手に取るように理解できる。
これほど「無私なる精神」が一国を統治するなど世界史上極めて稀なことである。それを我々日本人は心より感謝する必要があるだろう。
しかし、いつの時代も、本質を悟れる人間は孤独である。
(写真 上野東照宮 徳川慶喜の御霊を祀る)

