歳をとると時間の流れが早くなり、あっというまに1年、5年、10年と過ぎてしまう。誰しもそんなことを言うし、感じるものだ。
歳をとると、何かにつけて急ぐ。忙しいのか何なのか分からないが。とにかく焦って、急いで時をおくる。
振り返ってみると、急ぎ焦って、結果得たものは何か。
子供の頃。時間の過ぎるのが恐ろしく長く感じた。
そこで得たもの。記憶。振り返ってみればそれがどれほど鮮烈なものであったかは疑うべくもない。
幼い頃は時を意識しない。時間というのは実は相対的なものだ。同じ一日でも、人の心のありようで、無限にもなり、一瞬にもなる。
私は「ゆっくり」生きることにした。極端に今を生きるということだ。
焦り、急ぐということは、心ここにあらず。
そういう人間にとって、時は残酷なまでに勝手に過ぎ去り。
そして何も残らない。恐ろしいまでの戦慄である。
子供の時のように、絶対時間を生きたい。
ゆっくり、極端なまでに速度を落とすこと。
そしてぐるっと、心の中に円を描く。
その時自分を思い出す。
そしてその時はじめて全てが正しく動き出すのである。

