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    テレビメディア改革を提言する

    平成28年10月15日 政治・国際関係・経済
    田中角栄
    田中角栄  政治家・自由民主党 第64・65代内閣総理大臣 座談会『文藝春秋』昭和29年10月臨時増刊号に掲載 泥沼の政界決算白書 昭和29年09月10日 from wiki
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    戦後GHQを中心として、放送網などの規制や改革が行われたが、テレビや主要新聞などのメディアはいまだに「GHQ体制」から逸脱できないままだ。

    戦後テレビ局は、NHK+キー局5局が、すべて東京23区内、さらに言えば、キー局はすべて東京都港区内に本社がある。これらの配分は、GHQだけでなく、正力松太郎、田中角栄などの戦後の政治家、財界人などが決めたことなのかもしれないが、時代にそぐわなくなってきている。

    テレビメディアの硬直化は目に余るところがあるが、若い世代はテレビをほとんど見ない。(巷で言われているだけではなく、本当に見なくなっている。)「テレビはオワコン」だと言われているけれど、ネットの方が情報ツールとして面白いだけでなく、テレビの番組もネットで見ることができるようになってきた。

    「テレビはオワコン」というのは、要するにツールとして劣化してきたという以上に、コンテンツの貧弱化とか、タイムテーブルに縛られた放送スケジューリングの問題も大きい。

    地方に行った際、ホテルでテレビを見ていると、鹿児島や熊本にいるのに、恵比寿の散歩番組とかをやっている。これを見た時、何とも複雑な気分になった。東京に住んでいて恵比寿の散歩番組を見ている感覚と、九州で恵比寿の散歩番組を見ている感覚が全く違うことに気付いたのである。

    関東に住んでいれば、恵比寿の情報は身近だけれど、鹿児島や熊本では全く外国の情報と変わらない。

    「このラーメン屋が旨そうだな」

    とテレビを見て思ったとして、明日食いにいくわけにはいかない。情報番組として、成立していないのだ。もちろん、その地域主体の番組もあるのだろうが。一方で東京に住んでいる人間にとって、渋谷や銀座や恵比寿の情報番組を見てもあまり新鮮味がなく、またかという感じにもなる。

    旅番組としてこれを楽しむとすれば、逆に関東の人間にとってみれば、大阪や博多や札幌の散歩番組を見てみたい気にもなる。当然ながら、そのような情報は極めて少ない。

    私は、以前からキー局の東京集中を止めて、各地域に分散すべきだと考える。

    東京1、東北&北海道1、東海1、関西1、中国&四国1、九州&沖縄1など。合計で現状を超えるが、増やせば良いことだ。

    こうすることで、まず情報が多角的になる。横一線の「東京港区発信」情報から、日本中に発信源が分散するからだ。

    当然、それにともなって、人間の移動も起こる。テレビに出演する著名人やスタッフだけでなく、それに伴い企業の分散化も起こるだろう。CMを中心とするメディアの収益モデルも東京中心から幾分でも地方へ分散化する。それ自体、地域経済の活力源になる。

    札幌の散歩番組に有名人が出てきて、あれこれ楽しそうに放送すれば、東京や大阪の人間も、「札幌に行ってみたいな」という気分が増すだろう。

    地域活性化で、省庁が移動するだけでは、地方は活性化しないだろう。

    キー局の東京集中というのは、「報道の規制及び監視」というGHQの意向が最も大きく関与していることを忘れてはならない。

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