談山神社に行ったことがある。
山頂の駐車場に着いた時、信じられないような、滝のような土砂降りになった。
大きな駐車場には、空のバスが一台だけ停車していたが、それ以外は人一人いない。
いくら待っても雨は止まず、そのうち凄まじい悪寒がしてきた。爆音のような雷が繰り返し鳴っている。
私はしだいに恐ろしくなって、駐車場を出て急いで山を降りた。疲労困憊し、山を降りたところのコンビニの駐車場で30分ほど爆睡した。
目が醒めると雨は上がっていた。
談山神社には結局行けなかった。
これとまったく似たような経験がある。
箱根の九頭龍神社
この時は私だけでなく知人も一緒だった。
箱根神社の境内にも九頭龍神社がある。あれは出張所のようなもので元宮は同じ芦ノ湖畔の別の場所にある。
芦ノ湖畔の最寄りの駐車場に着くと、突然凄まじい豪雨になった。ここは箱根山へのロープウェイの入口でもある。
これはダメかな。
しかし、しばらく車内でじっとしていると、雨は止んだ。この時も我々以外は人一人いなかった。
神社まで歩いて20?30分。その間も人一人いない。神社及びそこまでの道は私有地らしく、途中有料公園のゲートで入園料を払わなければならない。
そのゲートの係員以外の人間は誰もいなかった。
神社までの湖畔の細道を歩いていると、あの談山神社の時のような悪寒がしてきた。
空はどんよりしている。
「気持ち悪い。というか何か恐ろしい。」
神社に着くと、先客が二人だけいて、すでに参拝を終え、我々と入れ替わりだった。女性二人だ。
思ったよりは小さなお社。
私達が参拝を始めた直後、背後のどんよりとした湖畔のほうで、突然
「ドカーン。ドカーン。」
という凄まじい爆発音のような音が数回した。雷ではない。何が何だか分からない。
「おい。早く帰ろう。」
知人は案外呑気な顔をしている。
「あの音は何だったんだ。」
「あ?。何か大きな音がしてたね。」
駐車場に戻り、車に乗る直前、再びとんでもない土砂降りになった。
私一人では、あの神社には行けなかっただろうな。そう思った。以前も一度行こうと思ったことがあったが、場所がわからず、気持ち悪くなって行けなかった。
どうしても行けない場所がある場合、自分以外の人間を立てると良い、ということである。
もちろんどちらの神社もいつもこんな風ではないことは言うまでもないが。何事も縁であるから。
日本にはかつて龍が住んでいたという。
自然霊が進化した生き物。霊獣などとも言う。
古来、雨乞いなどは龍神に祈願する。龍神に雨は付き物である。龍が舞う航路には雨が降るという。
人間にも龍蛇族の末裔と言うのがいるらしい。そういう霊的な生き物と関わりのある霊魂がある。雨女などもそうかもしれない。
談山神社の祭神は藤原鎌足。藤原(中臣)氏は龍族の末裔であろうか。
談山神社と九頭龍神社はまったく同じ匂いがしたからである。少なくとも私には。
この世界(龍の世界)に関しては、私自身、魂に何か強烈なエネルギーが直撃するような、凄まじい経験が多い。よく分からないのだが。
自然霊というのは何かおどろおどろしく、恐怖感のようなものが伴うことがしばしばあるのである。
巨大な何かだ。

