ロシアの若者には日本のアニメを見て憧れ、北方領土へ引っ越そうと考える者がいるという。そうすればやがて日本人になれるかもしれないと考えるらしい。
以前ハバロフスクに2週間ほどいたことがある。アムール川を挟んで中国と国境を接しているこの地域では、中国人には異常な警戒感があるが、日本人とわかると急に嬉しそうに話かけてきた。
街中には日本の中古車が溢れていた。全体の80%くらいはそうだった。「○○寿司」「○○運輸」「料亭○○」とかのラベルがそのままで使われている。この方が自分の車であることがわかるからだという。個性的なデザインの一種として考えている。
「日本車は素晴らしい」
明らかな尊敬の眼差しで私を見てくる。私が作ったわけではないのだが。そういう人と何人も出会った。
その後プーチンが自国の自動車産業を振興するため日本からの中古車輸入を制限すると言い出すと大規模なデモが起きて、「ハバロフスク州は日本に帰属するぞ」と横断幕が掲げられるほどだった。
これほど日本贔屓は多いが政治的に信用できるかどうかは別問題かもしれない。
しかし、彼らの領土に関する主張はひどくわかりやすい。
「欲しければもう一度戦争して取り返せよ」
これが基本的なスタンスだろう。その上、米軍基地が日本領内にあるうちは返還は難しいかもしれない。
アニメファンと言えば、ソウルへ行った際、観光地を探して人に尋ねたら、そこはたまたま学校の入口付近だったので、
「日本から来たのか。ちょっと待ってくれ。日本語が話せる学生がいるから連れてくるよ。」
そう言ってやってきた女学生は日本語が堪能で、希望する観光地まで一緒に歩いて案内してくれた。
日本のアニメが好きで、日本に行ってアニメの仕事をするのが夢だと言っていた。
あの国にもそういう若者が多くいるらしい。
日本に来たら正しい歴史を知ってもらい、日本の価値意識や文化文明について知ってもらうことは重要なことだ。そういう人を可能な限り増やす戦略もまた重要であろう。
とは言えこの国も、こういう若者が、日本に来て、正しい理解ができたからと言って、政治的に日本と韓国がまともな関係を構築できるというのは極めて難しいし、現状は不可能である。
韓国で「戦前の日本統治時代は言われているようなことはなかった。」と言った老人が殺害されたが、「併合時代の真実」を語る者には、殺害、刑務所行、社会的抹殺が「約束」されている。
隣国とのまともな付き合い方を学ぶことは、素朴な日本人には難しい課題だが、避けては通れない。
国際関係には「戦略性」が不可欠であろう。

