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    ユダヤ・キリスト教世界における「悪」の論理

    令和6年7月16日 文明論
    アレクサンドル・カバネル作『堕天使』(1847年)神が彼を天国から追い出すと告げた直後。
    アレクサンドル・カバネル作『堕天使』(1847年)神が彼を天国から追い出すと告げた直後。
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    聖書の世界観の中核をなすものの一つに善悪の戦い、という世界観がある。世界を善なるものと悪なるものとに分け、両勢力の戦いが繰り広げられる。

    イスラム教において、この善悪二元論の戦いの構図は、本来人間の内面世界における葛藤についてのことであり、人間の内面世界において、善が勝利するための悪との戦いを「聖戦」と呼ぶのだ、とある書物に書かれていた。

    イスラム教の秘境的な要素を持った集団の解釈と考えられる。現代においてイスラム原理主義者の言う聖戦というのはこれを物理的に捉えたものだろう。

    さて、一般にキリスト教ではキリストの再臨が起こる前に、激しい善悪の戦い、悪魔と光の戦いが繰り広げられるとされている。

    別の言い方をすれば、悪は、善が世に出るために欠かせない存在であり、悪がなければ善は生じない。悪があってはじめて善なる極みの神(ヤーウェ/キリスト)の出現/再臨が起こる。悪は善を生じさせるための必須の対立軸である。

    聖書の世界観の成就において、悪の存在は必須条件となる。

    そして、キリスト教において悪とは一義的には反キリストのことであり、無神論のことであり、唯物思想(非神・反神)のことだと言えるだろう。

    しかし、その唯物思想たるマルクス思想を産み出したのは、聖書の産みの親たるユダヤ人である。

    このように考えると、彼らは自ら、善なるものを産み出す目的を持って、悪を創造したのだとも解釈できる。たとえそれが、意識的であれ無意識的であれ。

    よって、マルクス思想・主義の本質的な目的は、救世主あるいはキリストの出現・再臨を促すためのツールだと考えることができるだろう。

    それを平等を実現するための平和思想だなどと純粋に信じて革命運動などを行う人々の多くは、そんな目的が背後に隠れているという自覚もなかっただろうが、彼らは極限すれば神の使い走りのようなものに過ぎない。

    神の視点から見れば、それらは目的が遂げられれば使い捨てにされるような「噛ませ犬」的存在だとも考えられる。

    ましてやユダヤ・キリスト教圏の埒外にいる日本人でマルクス思想にかぶれて活動することの虚しさは計り知れない。

    それはさておき、

    善悪二元論における悪とは、善に止揚(アウフヘーベン)するための極軸であり「使われるもの」であり「神の出現」を促すツールとなる。

    日本人はそのような世界観にいるわけではない。彼らの作り出す世界観に巻き込まれ熱中するのはお門違いというものだ。彼らは彼ら、我々は我々である。

    しかし、彼らの世界観の実現(完了)が日本にとって大きく関わりあるものだとも言えるのは、近年の様々な文献から想定されている。

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