昨日の記事の内容から、中国人の食人肉風習について調べてみた。戦前、桑原隲藏という東洋史家で京都帝国大学教授であった人物が、『支那人の食人肉風習』という論文を発表しており、現在ではこれを青空文庫で読むことができる。

これによると、冒頭、当論文を執筆中にロシアで食糧難が起こり、ペトログラード(現サンクトペテルブルグ)で中国人が人肉を販売したので、これを取り押さえ銃殺されたという話が記述されている。

この論文によると、往古より、中国の正史や各種小説や歴史書に人肉食の記載が散見されるのみならず、8世紀頃に中国を訪れた回教徒が、中国内で人肉が販売され、それを官警も全く取り締まる様子がないという記述がある他、その他中国を訪れた多くの外国人の旅行記にもそれらの記載があるという。

中国で人肉を食する理由として、桑原氏は次の五つを挙げている。

1. 食糧難に陥った時
2. 戦争の籠城戦などで食糧が尽きた時
3. 嗜好品としてこれを食する
4. 怨敵を食する
5. 薬用としてこれを食する

4の怨敵を食するとは、中国では儒教(原儒-孔子登場以前の儒教の原型のこと。シャーマニズムに近い。)からの影響だと思われるが、死後も肉体が必要とされるという思想があり、これを食することは相手を苦しめることに繋がるとして、人肉を食する風があるという。我々日本人も気をつけねばならぬのかもしれない。

昨日のサーチナの文章通り、中国人は、二足のものは、父母以外は何でも食するということになるのであろうか。確かに桑原氏の文章にも、妻や子を食することには言及しているが、父母を食することについては記述がない。これは儒教の思想が大きく影響していると思う。

この論文で彼はこう結んでいる。

「日支兩國は唇齒相倚る間柄で、勿論親善でなければならぬ。日支の親善を圖るには、先づ日本人がよく支那人を理會せなければならぬ。支那人をよく理會する爲には、表裏二面より彼等を觀察する必要がある。經傳詩文によつて、支那人の長所美點を會得するのも勿論必要であるが、同時にその反對の方面をも、一應心得置くべきことと思ふ。食人肉風習の存在は、支那人に取つては餘り名譽のことではない。されど儼然たる事實は、到底之を掩蔽することを許さぬ。支那人の一面に、かかる風習の存在せしことを承知し置くのも亦、支那人を理會するに無用であるまいと思ふ。」

相手を知ること、良い面悪い面の両面を見てゆくことが、相手の真の理解につながるのであると。

これも孫子の兵法にあるとおり。

「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」

変じて

「敵を知り、己を知れば百難あれど相通づ」

ということか。

http://www.aozora.gr.jp/cards/000372/files/4270_14876.html

(写真;桑原隲蔵 wiki)

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