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壇ノ浦の流れ

平成29年1月1日 神社巡り
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今回はわずか3日で十社ほどを廻りました。

知り合いから、関門海峡にある和布刈(めかり)神社という神社が面白いと聞き、帰り際に立ち寄ることができた。

到着が元日の昼を過ぎていたこともあり、既にかなりの列。参拝まちしていたら1時間以上かかると思ったのでここは神社の外観と周辺の光景を観察して終わることに。

この神社は、神功皇后の三韓征伐に因み建立されたといい、歴史はかなり古い。

社殿の10メートルほど先は関門海峡の流れがあり、灯篭が海中にある。

源平の壇ノ浦合戦の際、平家一門がこの神社で勝利を祈願して酒宴をあげたという。

事前の情報からして、かなり「重い」神社かと思いきや、極めて清々しい空気が社殿一帯を覆っている。

社殿という以上に、この流れぞのものが「禊 祓」の空間を形成している。水の流れが社殿を清めている。不思議な空間である。

以前、知人から、風通しの良い場所、水の流れがあるところには、「気のよどみ」がないから、念が留まることがない、と聞いた。

ここへきて、なるほどと思った。

以前から、風のよく流れる場所には、戦場や、戦跡に由来する場所でも清々しい空気が流れていることがある。(それがまた哀しさを誘う場合もあるが)

しかし、水の流れで同じような感覚を得た場所はここが初めてであった。

平家の怨念が尽きないとしたとしても、この場所で、「暗い情念」を燃えたぎらせることは難しい。

安徳天皇の御徳であると言っては大変に失礼になるかもしれない。

しかし、この場所に「負の溜まり場」はない。

「心を洗い流す」
「水に流す」

とは日本人の極めて特徴的で他の文化文明の世界においては存在しないものである。

「怨み一千年」

これが、洋の東西を問わず人間の歴史を覆っている。

日本人は

「忘れやすい」

のが欠点だが、長所と短所は表裏。人間とは難しいものだが。

和布刈神社の対岸、つまり山口県側には安徳天皇陵と天皇霊をお祀りする赤間神宮がある。

なぜこの神宮が天平様式の社殿なのかは分からないが(水の底の竜宮城という設定か)、入口鳥居の前には面白い看板が立ててある。

「特攻服での入場は禁止」

だそうである。

どうやらそういう連中が出入りするらしい。

源平武者の生まれ変わりが、心を抑えきれず、参殿するのに違いあるまい。

荒ぶる武者の魂はいまだ健在か。

水天宮も赤間神宮も安産祈願、子宝祈願の神社である。

安徳天皇は幼くして崩御された。

本来ならそのような霊魂にこのような祈願を行うことは、あり得ない。

しかし、安徳天皇の鎮魂を祈願することで天皇霊が、鎮まり、高い霊格をしだいにえるようになる。

その効験によって、参拝したものに天皇霊がその気持ちに応える。

世界に類例のない「究極の人間生活のためのシステム」

怨霊を神霊として迎えるよう人々が想いを込めるこのシステムは世界に日本しか存在しない。

しかもこれは「宗教」という閉鎖的な垣根を越えて、そこに暮らす人々の生活習慣となっている。

世界の人はまだ知らないが、これは「奇蹟」である。

このような奇蹟が日本において行われているということを、理解したくない、または理解できないという人もあるだろう。

しかし、これを日本人は世界に弘める必要があると私は確信している。

(写真 : 和布刈神社 灯篭、赤間神宮楼門、特攻服入門禁止の看板)

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