人がもし純粋に生き物でしかない存在であれば、決して自己矛盾は起きないだろう。

生まれて、食って、セックスして、子供作って、あとはプラスアルファの生き物としての快楽。

いいもの買って、いいところに住んで、人から羨ましがられる。

それ以上の満足はないし、完全に満たされるはず。

ところが、どこまで行っても人の魂は何か満たされない。

なぜなら魂は物質ではないからである。

物質とはその場限りの、その瞬間の有り様でしかない。いつか必ず消えてなくなる。

しかし魂は、意識はそういうわけにはいかない。

これが人間としての自己矛盾の根本的な問題として横たわる。

人が苦悩するということは要するに人間は単なる物質的存在でない証明である。

しかし、人間として生まれた以上、その「人」はそういう宿命だから。

その意味でバランスとりながら、あまり取り乱さないように生きていけばいいのである。

そうしていればいずれ落ち着き先が決まるだろう。

はっきりわかるはずだ。

「こういう感じなんだな」
「この辺でいいんだな」
「こういう生き方でいいんだな」
「俺はこれしかない」

そういう感じになれば生きてきた意味が見出せるだろう。

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