何かとても古い、裸電球だけの、茶色い木の壁で囲まれた、便所で、私は思う。
父親が自分のことを好きではないという話を聞いてしまったようであった。
父親が、他に女がいて、自分を好きではないんだと。
しかし、俺はもうそんなことなど知っているんだと。そういう思いが頂点に達していた。

「知っているんだよ————–!」

生まれてからこれほど絶叫したことがないほどのレベルで絶叫した。強烈だった。
分からない。自分には腹違いの兄がいたが自殺している。何か関係あるかもしれない。あるいは自分のことなのか。
あるいは別の人間の何がしかなのか。しかし、ずっと昔から内蔵されていた何かだ。かなり古い。
信じられないような夢だった。この歳になってこんな夢を見るなんて。でも何かから解放された気もする。

人間の闇は深いと思った。

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