思考は人にとって、一時の監獄かもしれない。

もしそうだとして。それを知る者は幸いである。

なぜなら、そうと知る者のみがそこから出るチャンスを与えられるからである。

ある日、男が荒野を一人歩いていると、右側に永遠と続く焦げ茶色の鉄柵が続いているようだった。 これは何か。

しかし、男はどうやら何かに追われているようだ。

途中、かすかな涼風が顔をすり抜けるのを感じた。

ほんの一瞬、そこには鉄柵に唯一小さな穴が開いているのである。

その穴を手で押し広げてみると、向こう側へと出られるような気がしたのである。

するっと、すり抜けた。すり出たというべきかもしれない。

不思議なことに魂にこびりついた殻のようなものが一枚剥がれ落ちた。

涼風は人を変える神々の使者。空隙の先に次の自分がいる。

ふと振り返ると、それまでの「男」が、まだ柵の向こうから、こちらを見ているのである。

「あっけないものだな。」

男はそのようにして、いくつもの「監獄」から抜け出してきたのだろう。

次の、その先には、新たな地平が広がっているだろう。

それを知らぬ者は同じ柵の中にいるのみ。

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