昨日仕事で横浜へ向かう電車の中で、驚くほど悲痛な表情の男性が自分の正面に座っていた。

彼はとても立派な役者のような顔立ちをしているのだが、その端正な顔の作りが醸し出す悲劇性を一層高めていた。

彼を見ているうち、彼が幸福な状況にあることは決してあり得ないだろうと確信すると同時に、彼の周辺、あるいは彼の意識世界の周辺にいる人々の中にも幸せな人がいるのだろうと想像することもできない、という結論にいたった。

「結局人は自分の作り出す世界観の中に暮らす生き物なのだな。」

以前からそのような考えはよく聞いたし、自分もそんなものだろうと感じてもいた。

しかし、目の前にまざまざとそれを具現化する絵姿を見て驚くと同時に、その認識を一層明確なものとすることができた。

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