これを説明するのはFacebookでは難しいが、wikiは大変よくまとまっていて有難い。過去、数名の有力な地政学者がいたが、現状の主要な理論を基本的に総合すると、

シーパワー、ランドパワー、ハートランド、リムランドという勢力圏を設定して、世界の軍事力に基づいた支配構造を論じている。明治期以降現代にいたるまで、世界を制してきた国家は、もれなくこの理論を国家運営に導入して政策策定していると考えるべきである。

極めて簡単に言えば、

シーパワー(海洋権力)
ランドパワー(大陸権力)
ハートランド(世界あるいは大陸の中心=ここを抑えればその世界を制するという)
リムランド(陸地の周辺国を抑えて、ハートランドへの侵入を防止する、周辺国にハートランドを抑えさせない)

日本では戦後、アメリカの保護国になった関係で、ほとんど学会などでも扱われなくなった。しかし、これからの日本はこういう世界の「動き方」に無頓着なままでいられないのである。アメリカの絶対的支配力が揺らいでいる今日、無頓着は自らの死を招くことになる。日本がのんきに「平和ボケ」ていられる時代はもう終わっているのである。

本来、地政学は軍事力に依拠した「パワー理論」だが、現代ではこの考え方をさらに進めて、経済的、政治的、軍事的な影響力拡大のための総合的理論的ツールとして世界の主要な国家戦略の策定に利用されていると考えるべきであろう。

日本では学術会議が大学での軍事研究をしないなどと言っているが、それなら、インターネットもGPSもジェット旅客機も使わないで生活して欲しいものだ。科学技術で最強のもののほとんどが、軍事技術の転用技術であることを考えれば尚のことである。地政学なども同様である。

その意味では、中国の一帯一路などはその典型である。これは、ランドパワーとハートランド理論の応用であろう。彼等はこれを主に経済的な手法に置き換えたが、その背景には政治的、軍事的なものも充分に考慮の上であろう。

中国人はこういうことには積極的で、欲深くも、シーパワーやリムランドにも顔を出そうとしている。これは南シナ海、東シナ海などがそうである。しかし、中国は本来大陸国家であるから、同じ陸の国家であるドイツと結託してユーラシアを抑えようという構図なんだろうと思う。

ユーラシアのハートランドは、中央アジアのあたり。カザフスタンとかウズベキスタンとかあのあたりだと言われているが。

以下は、wikiをベースにしたまとめ。

■ハウスホーファーの生存圏理論

・国家は、その国力に応じたエネルギーを得るための領域、すなわち、「生存圏」を獲得しようとするものであり、また、それは国家の権利である。

・自給自足をより確実に維持するために、「生存圏」とは別に、「経済的に支配する地域」の確立が必要である。すなわち、国家の生存のために必要な生存圏とは別に、経済成長を続けるための植民地のような経済的支配地域の獲得が必要である。

・経済的に支配する地域は、宗主国の国力や位置から、「総合地域」と定義され、その領域は以下のように考えられる。アメリカが支配する南北アメリカ大陸を含む汎アメリカ総合地域、日本が支配するロシア領を含む北極圏から中国を経てオーストラリアにいたる汎アジア総合地域、ドイツが支配するヨーロッパからアラビア半島を含めたアフリカ大陸を含む汎ユーラフリカ総合地域、ソ連が支配するユーラシア大陸北部から南部に至る汎ロシア地域がある。

ハウスホーファーの生存圏の理論は、国家が発展するためには小国の権益を武力で奪取することも厭わず、自給自足のためには重要な経済拠点を経済的に支配するという考え方を正当化するものであると現代においては批判される。しかし、こういった政策は彼の独善的な考えではなく、第一次世界大戦後のヴェルサイユ条約においては戦勝国によって行われたことであった。しかし、科学としては彼がドイツ民族を常に念頭において研究を行ったために客観性を欠くところもあると考えられている。

■マハンのシーパワー理論

・世界大国となるための絶対的な前提条件は海洋を掌握することである。

・大陸国家であることと海洋国家であることは両立し得ない。

・シーパワー獲得の条件は、国家の地理的位置、国土面積、人口、国民性質、統治機関の性質の5つである。

マハンは、海洋、すなわち、海上交通路を制することの国益を、カルタゴ、スペイン、イギリスなどの海洋国家の歴史から、また、工業・商業の大規模化による重要性から非常に大きいものであると評価している。また、大陸国家は隣接する国家との生存競争が常に存在するとの前提に立ち、ゆえに、海洋に進出するための費用が大陸国家には負担できないという考えを示している。

彼は、アメリカがイギリスに匹敵する強国となるために、海軍力を増強し、海上交通路を確立する必要があると主張した。この考え方は米海軍の戦略に大きな影響を与え、米国は、パナマ運河やハワイ、グアム、フィリピンなどを支配下にいれ、現代においても強大な海軍の海洋への展開によってアメリカの軍事的優位や海上交通路の確立に貢献している。

■マッキンダーの理論(ランドパワー&ハートランド)

ハルフォード・マッキンダーは英国の地理学者であった。マッキンダーはマハンのシーパワー理論の対称となるランドパワー理論を提唱した。地上の7割は海であるが、人間生活の基盤は地上にあるので、広大な陸地を支配している勢力をランドパワーと考え、また、世界の陸地の3分の2を占めているユーラシア大陸を「世界島」、世界島の中央部でシーパワーの影響外にある地域を「ハートランド」と名づけ、ランドパワーの中心地はハートランドを基盤に世界島へ展開されると考えた。

また、ハートランドの外側に二重の半月型の地域をそれぞれ「内側のクレセント」と「クレセント」として分類し、内側のクレセントにおいてランドパワーとシーパワーが対決するという国際情勢の長期的な構図を論じた。これらの理論と当時の第一次世界大戦後という国際情勢から、ドイツという大陸国家のランドパワーのハートランドへの拡張を警戒し、「東欧を制するものはハートランドを制し、ハートランドを制するものは世界島を制し、世界島を制するものは世界を制す」という有名な言葉を第一次世界大戦後の講和会議に出席する英国の委員に対して述べた。

また、第二次世界大戦においてマッキンダーは、当時の国際情勢の変化に適応して、ハートランドの範囲を一部変更して北米大陸を含めた「拡大されたハートランド」とし、世界島の外部に米国という大きなパワーの出現を考慮し、世界島を制しようとする脅威は東欧ではなくハートランドから生じるものと考え直した。

■スパイクマンのリムランド理論

・ハートランドへの侵入ルートにあたるリムランドの主要な国々とアメリカが同盟を結ぶこと。この侵入ルートをふさぐ強力なリムランド国家(例、ナチス・ドイツによるフランスやノルウェー支配/ギリシャやトルコとの同盟)をつくらせないこと。

・リムランド諸国間のアメリカ抜きの同盟をバラバラに切断するが、同時に、ハートランドの国にリムランドの国々を支配させないようにする。

スパイクマンは、現代(当時は第二次世界大戦中)の船舶技術において、アメリカをとりまく大西洋も太平洋も「防波堤ではなく、逆に高速道路である」と認識しており、現代の兵器技術において、いかなる国のパワーも地球上のいかなる場所であれ、「地理的距離とは無関係に投入できる」と見抜いており、アメリカの孤立主義(モンロー主義)の不毛と危険を警告し続けた。この提言を基にして大戦後のアメリカの国家戦略が実行されており、これからのアメリカの戦略、国際情勢を予測する上で大きなヒントとする専門家もいる。

https://ja.wikipedia.org/wiki/地政学

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